現実は妄想より甘い

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寝室に入ると、御手洗は布団に包まりぐっすり眠っていた。 僕は座り込んで、彼の寝顔を眺めた。 好きな人の無防備な姿を見られるのも恋人の特権だ。 「省吾さん、起きて。朝ですよ。」 「んー……」 御手洗は、全く起きる気配がない。 僕は彼の身体を軽く揺すった。 「省吾さん、9時ですよー」 「んー……起きるわ。」 「って、目閉じてますよ笑」 「はぁ?起きてるよ。」 寝起きも口の悪さは健全のようだ。 「省吾さん、寝癖。笑」 「ん?」 僕は盛大な御手洗の寝癖を手で撫でた。 「直りませんね。」 「シャワー浴びてくる。」 「はい。行ってらっしゃい。」 御手洗は気怠そうに起き上がり、バスルームへと歩いていった。
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