現実は妄想より甘い

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朝食を済ませた僕は、食器を洗い始めた。 すると、省吾さんがキッチンにやってきた。 「コーヒーおかわりある?」 「はい、そこに。」 僕は、コーヒーメーカーを指さした。 御手洗はゆっくりとコーヒーをマグカップに注いだ。 僕はその所作ひとつひとつに見惚れてしまう。 「なんだよ。」 「格好いいなと思って。」 「コーヒー飲んでるだけだぞ。惚気やがって/」 「省吾さんは何をやってても様になるからずるいです。」 「勝手に言ってろ/」 相変わらず口は悪いが、その表情で満更ではないことが分かる。 素直じゃ無いところがまた愛おしい。 「省吾さんのマグカップも買いましょうね。」 「これでいいよ。」 「それは僕のですから。省吾さん専用です。」 「それならお揃いにしとくか?笑」 「え!?いいんですか?」 僕は御手洗の予想外の発言に身を乗り出した。 「やっぱ、やめた。」 「なんで?」 「そんなに驚くと思わないだろ……/」 頬を赤く染めながら、御手洗は呟いた。
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