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「あの人、さすがにくっつき過ぎじゃないかな?でも、御手洗先輩はいつも耐えてるんだろうな。」
こんな想いを御手洗にさせる訳にはいかない。
俺は意を決して、トイレの扉を開けた。
「あ、お待たせしました。」
そこにはさっきのセクハラおやじが立っていた。
「うん、待ってたよ。」
「それでは僕は先に戻ってますね。」
「何を言っているんだ。君を待ってたんだよ。御手洗くんはガードが固くてね。君なら大丈夫そうだ。」
この人は何を言っているんだ?
逃げたい。
だけど、僕が逃げたら先輩に迷惑がかかる。
我慢だ。
僕は強く目をつぶった。
「俺の部下に何してるんですか?」
「これはだな……気分が悪いと言っていたから介抱を……」
「そうですか、では、その汚い手を離してください。」
僕は知っている。
あなたのその鋭い視線を。
「離せって言ってるんだよ。分かったか、おっさん。」
すると、御手洗は僕の腕を掴み、店の外へと連れ出した。
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