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「ええ。とても痛そうだったわ」
「その時に青井先生がお姫様だっこして保健室に連れて行ってくれた時に、先生に『かっこいいいだけじゃなくて頼りになる男の人』だってことを感じて、それ以降先生の顔がうまく見られないんだ。カッコイイのは相変わらず変わらないどころか日増しに増して見えるし、放課後に校庭をン見渡せば生徒達相手に熱心な指導をしていたり、生徒を相手に脇を華麗にすり抜けて走って行ったりしてサッカーがとても上手で余計にかっこよく見ええてしょうがなくてね。生徒達が試合をしている時にたまにリフティングをやっていて、その数を数えてみたら凄い数を、ボールを地面に落とさずに操っているの。そのボールさ裁きがとっても華麗でかっこよくてね――」
「……かっこいいのはわかったけれど、何回かっこいって言うのよ」
失笑する紗菜ちゃんに私は「ごめん」と苦笑いを浮かべてしまう。私は勉強ができないから、テストの成績が紗菜ちゃんにはとうていかなわないかな、語彙力が足りない私は先生に対する気持ちを、ただ「かっこいい」とでしか表現できない。それがなんだかもどかしくてたまらない。もっと学力があれば、表現力があれば、カッコイイだけじゃななくていろいろな表現で先生の魅力と表現ができるんだけれどなぁ。
「ええとね。……それとね。髪型。前髪をいつも分けているけれど、この前に雨が降って濡れた時に偶然前髪が下りているのを見た時に、幼さを感じたのがなんだかとっても親近感がわいたというか、ぐっと距離が縮まったような気がしたというか、新鮮な目で見ることができたの」
「ええ。それで?」
先生に惚れた理由と魅力を力説してしまい止まらない私の先を促すように相槌を打つ紗菜ちゃんの口角は持ち上がっている。
「なによりも、やっぱり口元のホクロがsexyなの! sexyなのにチャーミングに見える時があって、とっても愛らしくってね、先生が喋ったり爽やかに笑うとホクロが動くからつい見ちゃうの。でもあまり凝視すると好意が先生本本人や周りの人達にバレてしまうから最近は避けるようにしていて――」
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