プロローグ✴︎

1/1
前へ
/2ページ
次へ

プロローグ✴︎

僕を、学園から追放しあのクソみたいな教会へ送り込んだのは誰だ? 僕を偽物の聖者としたのは誰だ? はじめに僕の身体を神意思に反する煩悩の吐口としたのは誰だ? 僕の身体は悪魔に支配されていると言って、自分の不浄な体液が聖水といい、僕を抱き、孕ませたのは誰だ? それにまんまと騙され、身体を許し、神に必死に祈り、孕み腹になった末に子を堕ろされ、何度もその苦痛にさらされ、最後には、神父達の堕落、国家転覆などといった、数々の罪をなすりつけられ、四肢を引きちぎられ、魔法によって止血され、民によって、焼かれた、のは一体誰のせいだ? 僕は焼かれながらも、この僕を痛めつけた者達を呪い、恨んだ。 そんな哀れな羊である僕を神はお救いになった。 帝国暦××33年 まだ姓のないスラム街にいた頃に気付けば逆行していたのだった。 薄汚れた服と、傷んだ髪、痩せこけた頬 6歳の自分に。 「ふふっ」 神は僕を救った。 哀れなら僕を。 もし神が本当にいるのであれば僕は喜んで貴方様の下僕となろう。そして、罪を犯した者を僕が代わりに罰しましょう。 僕は貴方の使徒となる。 そして、僕は気づいていなかった、白百合の聖痕腰が一瞬黒百合の聖痕になっていたことに。 白百合「純潔」「無垢」「威厳」のほか、「無邪気」「高貴」「自尊心」「栄華」 黒百合「呪い」「復讐」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 帝国暦××56年。神の使徒と呼ばれた者が死に、世界は半分以上崩壊した。 後に彼が本物の使徒であり、世界は各地に彼の銅像を建て祀った そしてその100年後、人類は滅亡した。。 「私の使徒は本当に美しい人だ。さあ、復讐に目のくらんだ私の可愛い可愛い堕落した天使よ。早く、私の元に堕ちてきなさい。」 天上人である彼は誰もいない部屋で呟き、一冊の本を棚に戻した。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加