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ニ「とある学校で自殺した教師が学校に対する復讐を目的に作った試験問題だといわれてます」
「学校で先生のいじめとかあったらパワハラで相手を訴えるとか出来たんじゃ?」
「令和ならそうした事も出来ますが、そうね動画では昭和五十年頃なので、権利を守る運動もあまり盛んではなく、いじめ百十番、いのちの電話というものもありません。ですからいじめにあった人はいじめた相手を全員殺すか、自殺するかの二択しかありません」
「なんちゅう時代だ」
「ですから、その学校の先生は解けなければ一週間後に死ぬ呪いを作成したんだと思います。呪いを解くには問題を解くしかない。というわけで今回サークルでは『呪いの試験問題』を私たちで解いてみようと思います」
「解くって、俺たちでそれが解けるんですかね」
青山くんはごくりと息を飲んだ。サークルメンバーの高木くんや天川くん、花岡さんや木崎さんも表情を一変させた。
「動画にその傾向と対策が紹介されていますね」
勿論、私が考えた試験問題だ。但し、正解は用意していない。答えがわかると、動画の視聴者の間であっという間に拡散されてしまうのだ。そうなると本末転倒。問題を作った意味がなくなってしまう。
「それもそうですね。動画確認してみます、うわっ!」
スマートフォンから動画を確認した高木くんは声を上げた。
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