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お呪験
一「黒木先生、呪いのテストってなんですか?」
都市伝説サークルのメンバー青山くんが開口一番に私に訊ねた。
話を一週間に遡ると、私は東横付属高校の講師として社会科の教科担任と二年B組の担任をしてきたが、試験の度に「あなたのクラスは試験の成績がふるわない」と教員たちからいわれていた。わかっている。生徒の成績不振は教職員の責任だということは。だから授業の内容を色々と工夫してきた。それでも成績は上がらず「今期の期末試験で平均点以下の生徒が一人でもいれば退職を考えてもらうことになる」といわれてしまった。そこであることを考えた。
生徒たちが一番興味を持つものは何なのか、ユーチューブなどの動画アプリケーション。どのような内容の動画が多いか。都市伝説などを検証するタイプの考察系ユーチューブチャンネル。扱う都市伝説はよく聞く「トイレの花子さん」や「八尺様」では効果を期待出来ない。試験と結び付けなくては「問題が解けなければ一週間以内に死亡する」いわゆる呪いの試験問題にしよう。視聴者になる生徒たちに伝える事は「呪いの試験問題の傾向と対策」ただ、注意する事は動画に顔が映ってしまうと学校で騒ぎになってしまう。クビ宣告された今となっては尚更騒ぎを大きくするわけにはいかない。顔出しNGということにして呪いの試験問題の傾向と対策を考察する事にしよう。動画を観覧した生徒たちの様子も気になるので、都市伝説研究サークルというサークル活動を立ち上げ顧問となることにした。
しかし、私が予想した以上に、効果があったようだ。
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