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デート
君がいなくなって、20年が過ぎようとしている。
この前、初めて孫に会ったよ。
君に似て、珠のような可愛らしい女の子だ。
これでやっと、肩の荷が下ろせる。
男手1つで、俺もよくやってこれたもんだ。
それはいつも、心の中に君の姿があったからだよ。
君がこの世からいなくなった時、僕はどうしていいか分からなかった。
まだ学生だった2人の息子を前に、ただがむしゃらだった。
今思えば、長いようで短かったな。
もうそろそろいいだろう?
やれることは、全てやった気がする。
もうすぐ会いに行くよ。
ちょっと疲れたんだ。
僕がそっちに行ったら、久しぶりにデートをしようか?
若かったあの日に戻って。
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