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階段を登りきると、また鉄の扉があった。ハンドルに手を翳すと、その扉もやっぱり自動で開いた。
雪が、降っている。灰色の凍てついたような空からしんしんと雪が降り、地上を覆い尽くしている。
外はとても静かだ。そういえばお父様が言っていた。雪は音を吸収するのだと。
……あら? そういえばお父様はどこかしら?
階段の下には私が眠っていた部屋しかなく、そこへお父様はいなかった。ならば探しに行かないと。きっとお父様は私がいないと心配していらっしゃるから。
雪の中に踏み出そうとして、考える。私は今裸足で、ろくな防寒着もない。これでは風邪をひいてしまう。
少し考えて、登ってきた階段を駆け降りる。部屋の中をよく探せば何かあるかもしれない。そして早くお父様に会いに行かないと……。
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