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「それって、本当にある症状ですか?」
「ん?ありそうだろ?」
「ないんだ。じゃぁ、止めなきゃ明日死ぬのが分かってても、吸います?」
「ふふ。どこまで煙草嫌いなんだよ。ま、今は吸わないでいるよ」
「そのまま止めればいいのに……」
「無理。池田が帰ったら、即刻吸う」
「ということは、私を思って吸わないんですね」
「ま、そりゃ、そこまで嫌がられたらなぁ」
「私のことを想っているってこと?」
「そこまで飛躍させられると困る……ま、人が嫌がることはしたくないってだけ」
「ふふふ」
「何笑った?」
「嬉しいから」
「嬉しい?何で?」
「近藤さんが優しいから」
「ん?俺って優しいのか?」
「ふふ。さっきから聞いてばっかり。今度は、私が聞いていいですか?」
「あ、あぁ。いつでもいいぞ」
「じゃぁ、人生最後の一日だとして、どう過ごします?」
「お!前にも、同じような質問されたことあるな」
近藤はそれだけ言うと、初めて祥子のことを思い出した。
思い出している時間は、そう長くなかったが、何やら考えている表情の近藤より先に涼子は自分の考えを話し出した。
「私は、今みたいな時間を過ごしたいです」
「ふ~ん」
「あ……興味なさそうですね」
「いや、俺は、最後って分かったら何もする気なくなるだろうって思うからさ。考えてるの凄いなって思う」
「じゃ、提案」
「提案?」
「今日が最後の日だと思って、私に告白してください」
「は?」
「癒してくださいってお願いしたじゃないですか」
「ま、まぁ癒しなら出来るかもだけど、告白って違わない?」
「別に、好きっていうだけが告白じゃないですよ」
「いやいやいや、あのさぁ……」
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