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「あの男たちは、東郷さんを痛めつけるために雇われたそうですよ」
北斗の言葉に、シラタキを吹き出しそうになった。
「おや、熱かったですか?」
「そういうわけじゃないけど」
高校生相手に痛めつけるだなんて、とても夕食時の会話ではない。
でも東郷の無事は道場で確認しているのだから、もしかして、そんなたいしたことではないのだろうか。
「なんで、そんなことになったの?」
聞いてみると、
「恥をかかされたと言ってましたねえ」
北斗はのんびり語った。
あの男たちと、どんな話しをしたのだろう。
ひと目で格闘技をやっているとわかる構えをみせたワゴン車の2人組とチカンえん罪を訴えていた男性。
北斗が追いかけていき、東郷を取り返してきたのだから、無事解決したのだろう。
だけど、解決する前に、いったいどんなことがあったのか。
だから北斗にそれを聞くと、
「いえいえ、お互い平和的に話し合っただけですよ。そう難しいことを言う人たちではありませんでした」
と、詳しく語る気はなさそうだった。
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