7 モテ女子と甲斐島流男子

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でも、あまり時間をかけることなく、道場に戻ってこられていたということは、本当に言う通り、簡単だったのかもしれない。 見かけより、いい人たちだったのか? あれだけこじれていた相手に、北斗はいったいどんな交渉をしたのだろう。 では次に、事件が起きた本当の理由について聞いてみた。 「じゃあやっぱり、チカンはえん罪だったということ?」 あの男性が、チカンのえん罪をなすりつけられて、東郷を恨んでしまった。 だから復讐しようとしたけれど、北斗の説得(?)で誤解も解けて引き下がった。 そう考えたのだが、北斗は言った。 「さあ、それはわかりません。ここにいる誰もが、現場を見ていたわけではありませんから。ただ示談金は支払われたようですよ」 では、男性は加害を認めたということになる。 やはり、東郷の方が正しかったのだろうか。 そう北斗が冷静に正したから、男性も思い直した。 でも北斗はまた静かに首を振った。 「正しい正しくないなんてのは、当事者以外が言えることではないですよ」 どういうことだろう。
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