7 モテ女子と甲斐島流男子

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「だって、あれは」 三波は豆腐を諦めて、箸を置いた。 「あれは自衛だろ。自衛は大切だって北斗も言うじゃないか。メイだって、自分の身は自分で守らなきゃ」 北斗は、これ見よがしにため息をついてみせた。 「でも、メイに技を教えなければ、むやみに目立つこともない。おとなしくしていればこんな事に巻き込まれることも、東郷さんと関わることもなかった」 そう言われて、三波は言葉をなくしたようだ。 グッと黙る。 「それは違うわよ」 今度はメイが声をあげる番だった。 三波から技を教わったことに後悔はない。 こんなことで、三波が責められる謂われはない。 「あの技を知らなくたって、私は東郷くんと関わることになってたよ。だって学校が同じなんだから。それに私、東郷くんから付き合おうって言われるほどには目立ってたんだからね」 北斗がびっくりした顔でメイを見て、それから三波を振り返れば、三波もコクンとうなずいた。 「メイが東郷さんからお付き合いを申し込まれた……」
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