青空と学園長と僕。

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「ちょっ、ちょっと早く来すぎちゃったかなぁ〜?まだ誰も居ないから不安になってきちゃったんだけど〜!でもでも混んでるとこに並ぶのもヤダしぃ〜!!」 だからって5時間前に来る事ないにゃ。これじゃガチファンだにゃ。 と言うか何でお前白いボンボンがついた赤いしましまのニット帽とクマさんの絵がプリントされた赤ニットの服なんか着て来たんだにゃ?目立って仕方ないから離れろにゃ。 がっちり抱きしめられてるせいで身動きが取れず うろちょろしてる学園長の手に噛み付いていると 後ろの方でサイン会の準備をしているスタッフの男女と目が合ったにゃ。 でも目が合ったのは僕だけで学園長は気付いてないにゃ。 「ねぇ、あのお爺さん ずっと居るみたいだけどいつから並んで待ってるのかしら?」 5時間前からですだにゃ。 「5時間前くらいからです」 そうですにゃ。 「嘘でしょっ!?」 嘘じゃないですにゃ。 「本当です」 そうだにゃ。 「ちょっ、ちょっと私 早く来るように結に電話して来るわっ!!」 ぜひそうして欲しいにゃ。いくらデブでも老人にこの真冬の寒さはちょっとキツイからにゃ。
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