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翌日、妖精の宿屋で朝食を済ませたわたくしたちは、転移魔法陣でセーブポイントまで戻りまして、獅子の塔の攻略を再開しましたの。
エリアボスがいるフロアまでは、連携して倒しまして順調に到着いたしましたわ。
「各ダンジョンに設置されている罠などは、管理人さんの性格が反映される部分が多大にございまして、獅子の塔が初心者冒険者向けとされているのは、トラヴィスさまが初心者冒険者育成のために、出現する魔物の強さを階層で分けたりと調整されているからなのですわ」
冒険者の先輩としても、ダンジョンの管理人としても敬愛していることがわかる表情でイレーネお義姉さまが告げたのですが、その様子を見ていたクロードお兄さまは、少々ムッとしたような表情を浮かべておりますわね。
トラヴィスさんに嫉妬しておりますのね。
うふふ、わたくしのお父様のお一人をイレーネお義姉さまが誉めてくださるのは誇らしいですわ。
わたくしも志を引き継いで行けるようにがんばりますの。
「……何を考えているのか、わかりやすい兄妹ですね」
エディがなにやら呟いておりましたが聞き逃してしまいましたわ。
「いえ、大したことではありませんので。それよりも、事前に情報収集したエリアボス出現条件ですが、獅子の塔の五階はフロア全体にかかっているセンサー魔法によるものだそうです。油断せずに参りましょうか」
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