(閑話2)

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(閑話2)

『アーサー、あのね、ソフィアとクロードがね、獅子の塔での戦利品の一部を報告を兼ねてそっちに送りたいって言ってるのー』 『だからね、お城の転移魔法陣に転送したいのー』  アーサーは、前世も今世も人間として転生しているが、元々は聖獣だったこともあり、精霊たちの姿をソフィアたちよりもハッキリと見ることができた。 『わかりました。すぐに転移魔法陣へと向かいますね』  心の中で妖精たちにそう返事をして、アーサーは転移魔法陣へと急いだ。 「アーサー殿下、どこかへお出かけですか?」  転移魔法陣の周辺の警備を担当していた騎士の一人に問いかけられる。 「いや、クロードとソフィアがダンジョンでの戦利品の一部をここに送ってくると精霊たちから報告をうけたから、様子を見に来たんだ」  アーサーが答えていると、転移魔法陣が光って、一つの宝箱が転送されてきた。 「これかな?」 『そうなのー。お手紙も宝箱の中に入れていたのー』  精霊たちの声は、どうやらアーサーにしか聞こえていないようだ。 「手紙と……木箱?」
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