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クロードお兄さまとイレーネお義姉さまの恋愛事情は、まだまだ問題が山積みですけれど、共に冒険者を目指したことで、少しは進展していると思いたいですわ。
前世と同じ伴侶を必ず選ばなければならないというわけではないのですけれど、前世ではお二人の娘だったわたくしといたしましては、やはり前世の両親には転生しても結ばれてほしいと願ってしまいますの。
「ソフィア姫、もし……ディアン殿がこの世界に転生しているとしたら、会いたいですか?」
不意に、エディが真剣な顔で問いかけてきましたの。
ディアンというのは、前世でわたくしに婿入りした他国の王子……アーサーお兄さまからすると前世の息子にあたる人物の名ですわ。
「機会があれば、会ってみたいと思いますわ。前世の記憶がある今世の両親や、アーサーお兄さまは喜ぶのではないかしら?」
わたくしの今世の両親は、前世でもアーサーお兄さまの両親だったと聞きましたし、会えたならば、きっと喜んでくださると思いますの。
そう答えましたら、エディはなぜか困ったような笑顔を浮かべておりましたわ。
「いえ、あの……そういうことではなく…………はぁ」
ため息をつかれてしまいましたの。
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