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「ソフィアは、『恋をするならばアリエスさまのような殿方と』が口癖だからね。ソフィアの前世をよく知るエディが警戒する気持ちはよくわかるよ」
「アーサー殿、もうすでに今世でも被害が……。前世でもソフィア姫は、アリエス殿が城へ訪れる日を周囲が秘匿しても野生の勘で嗅ぎ付けておりましたし、会えぬ日が続けば城を脱走しようとするような問題児でした」
なぜそこでエディとアーサーお兄様が意気投合したかのように握手をかわしておりますの?
「ソフィアへの婚約の申し込みは、まだ年齢のこともあり、長男のアーサーほどではない。ただ……当人が前世の記憶持ちの転生者で、ことあるごとに名を出す相手が相手でなぁ……。エンディミオン殿との婚約の件は、こちらとしてはありがたい話ではあるが……行動力の塊のようなところがある娘ゆえ、預けるのは面倒ごとを押し付けてしまうようで心苦しく……」
なぜ今世のお父様は、このような内容を遠い目をして話していらっしゃるのかしら?
「陛下が申し上げた懸念はあれど、わたくしどもといたしましても、エンディミオン殿下がソフィアの行動を婚約者として監視してくださるならば助かりますわ」
今世のお母様、仮にも聖女と呼ばれていたはずですわよね?
とてもよい笑顔で今、『監視』って仰られましたの!?
わたくし、今世の両親にこのように言わせてしまうようなことをやらかしてなどいないはずですのに……。
なぜこのようなことになってしまったのか……少し記憶を振りかえってみましょうか。
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