光を失う

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 数日間会えないと、里実はいつも「会いたい。」とメッセージを送ってきていた。それももう昔の話になってしまったけれど。それでも、来るはずのないメッセージに期待しては虚しくなる。 「会いたい…」  ポツリと呟いてから自分でも驚いた。一度口に出してしまうと、今まで蓋をしていた思いが溢れ出してしまう。僕は自分で思っていたよりもずっと、里実がいないとだめらしい。情けないよな、ほんと。  僕と里実はもう終わったんだ。僕が終わらせたんだ。里実を縛らせたくなかったから。そうだ、里実も目を覚ましたかもしれない。僕よりずっと素敵な人と出会って、今頃笑い合ってるかも知れない。自分の妄想が、自分をより苦しめた。  行き場のない思いが僕を支配する。この気持ちは、どこにぶつければいい?もう、里実に叱ってもらうことも、里実に文句を言うことも叶わない。僕には里実が全てだったのに。  僕はポケットから携帯を取り出した。里実とのトーク画面を開く。会話は1ヶ月も前で止まっている。里実の携帯は事故で壊れてしまったから。  僕は届かないメッセージを送信する。 「ありがとう。僕を忘れてくれて。」 僕は絶対に忘れないけど。 短いメッセージに、僕の気持ちを全部託した。 里実が幸せならいいんだ。隣が僕じゃなくても。 僕は君のことを一生おもいながら生きていくよ。
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