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一目見た瞬間に電流が走った
間違いない 向かいのホームで電車を待っているあの男こそ、私の運命の相手だ
ヨタヨタと階段へ駆け寄る 今すぐ運命に会いに行かなければ
しかし無情にも電車が到着し2人の仲を引き裂いた
何も知らない男はそのまま乗り込んでどこかへ運ばれていく
くそっ!まんまと逃げやがって!これしきのことじゃ諦めないぞ!
待ってろよ運命 必ずアナタに会うからな
それからの日々は何も手につかない
寝ても覚めてもあの人の顔が思い浮かぶ
恋焦がれて仕方ない 絶対に会ってやる
やっと見つけた運命の人なんだ
しかしそんな想いとは裏腹に全く会えない
同じ時間に駅で待ってもどこにもいないし、もちろん名前もわかりゃしない
それでも絶対に諦めない だって運命の人だから
ジクジクと痛んで苦しくなる その痛みの度に思いが募る
どうしても会いたい
どうしてもどうしてもどうしても
そんな想いが天に通じたのか
とあるコンビニの駐車場でバッタリと出くわした
車に詳しくないので車種はわからないが
バックミラーにぶらさがった芳香剤 ダッシュボードに置かれたぬいぐるみ
間違いなく運命の愛車だ
つまり待っていれば運命がやってくる
疼く衝動を抑えきれず、ニヤニヤと笑みが止まらない
私はバッグを抱きしめた
「君は誰だ?俺の車の前で何してる」
「まぁ酷い 私はアナタを思い出したのに」
「思い出した?」
「えぇそうです ショックで忘れていましたが、駅で見た瞬間奇跡的にフラッシュバック それからズキズキと体が痛むたびに、アナタに会いたいと焦がれていました」
「すまないが誰だかわからないな」
「この車もピカピカとしてあの時のまま いつ修理終わったんですか?」
「ついこの前だ それまでは会社にも電車通勤しないといけなくて大変だった」
「その修理の原因は?」
「ガードレールにぶつけて」
「嘘 誰かを轢いて逃げたんでしょ」
「……おいまさか」
「お久しぶりです 会いたかったですよ」
抱きしめていたバックからナイフを取り出す
事故のせいで下半身はまだ上手く動かないが問題ない
運命の男は驚いて逃げれないからだ
そのまま腹部に深々と突き刺す
運命に復讐を遂げた快感で電流が走った
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