不安

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 どうやら、京介さんが高藤財閥の直系の御曹司で、私と同棲を始めたことや、総帥が私との生活を黙認しているのを知ったようだった。今後を考えると敵対した自分達が葬り去られるとか訳わからないことをつぶやいていた。  要は、高藤化学についたことで次期総帥である京介さんを間違いなく敵に回したという認識があるらしい。  まあ、間違ってはいない。彼は、叔父夫妻を心情的に絶対許さないだろう。私もそうだ。 「今は京介さんが叔父の代わりに財閥の人を派遣してくれると言ってくれています。経理関係や経営に明るい人らしくて、今よりも経費もかからないやり方ができるそうです」 「なるほどね。まあ、そのほうがいいよね」 「そうですね」 「それで?稚奈はどうするつもりなの?」  そうだよね、聞かれると思った。だって、何も決まってないんだもの。形ばかりの同棲生活。  だって、彼は本当に忙しい。  海外出張なんてしょっちゅう。日本中をプライベートジェットであっちこっち移動していて、さっきまで九州だっただの、北海道にいただの、このあいだなんて韓国に午前中いたんだとか訳わからない。
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