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彼は私の頭にキスをひとつ落とすと消えた。何なの、もう……。ここに来てから、ことある毎に充電させてと言う。
「君の気配というか、僕の中に君の香りが消えると僕はピコン、ピコン、とランプがついてね、早く君を充電しろと身体が言うんだよ」
「……何、子供みたいな嘘言ってるんです?」
「あ、何その目?嘘じゃないよ、本当だから。君がここへ来てから、部屋に君の香りがするようになった。ラベンダーとオレンジの香り。僕はもう、絶対一人では暮らせない」
「はいはい、わかりました。これでいいですか?」
彼を後ろからそっと抱きしめた。
「だめ。もっとちゃんとやってよ」
「ちゃんとって……」
彼は私をぎゅっと抱きしめると首筋に頭を入れて、こめかみ近くにチュッとキスをした。
顔を上げた彼は私を見下ろした。
「僕らは結婚前提で同棲中だよね?」
「……まあ、表向きはそうです」
「表向き?何それ?裏向きもそうだよ」
「ぷっ!」
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