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私はハッキリと言った。京介さんは辛そうに私を見た。彼には酷だが、こうでもしないとお父様が変わらない。だから、言うべきだと思った。彼のお父様は私をどこか目の敵にしている。それが筋違いだと教えるべきだ。
「……ほう。たいしたお嬢さんだな。調査結果ではお父さんの血筋を引いて研究者としてもそこそこらしい。そして、その振り袖姿。京介や茂を惑わせるだけの美しさもある」
「ありがとうございます。お世辞でも嬉しいです」
「世辞?悪いが私は世辞を言わねばならんような身分ではない。常に言われる立場だからね」
「はあ、そうですか」
「だから、君が美人だというのは世辞ではないよ。胸を張っていたまえ」
「……ありがとうございます」
「そう、それでいい。さてと、京介。たいしたものだな。私は相互親子がどうやってあそこを陥落させるか見ていたが、お前が黙っているはずがないこともわかっていた」
「まあ、そうでしょうね」
「ホワイトナイトとは、合格点をやれるな。これでお前が跡取りとして私を出し抜いたと周辺が嫌でも吹聴する。いい傾向だ」
「父さん、まさか……」
にやりと彼と似た笑いを総帥が浮かべた。
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