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「京介さんの事は好きか嫌いかで言えばかなり好きですけど、まだその、そういう関係には全く……」
「彼はどうなの?」
それが、最初は結構私を好きみたいなこと言ってたのに、最近はそれも言わなくなった。
口では充電したいと言いながら、抱きつくこともない。おでこにキスもなくなった。そして、一緒に休みも出かけなくなり、外に出たがらない。家で食べようと必ず言う。
それが寂しいというか、もしかして他に好きな人が出来たのかなとかちょっと思ったりはする。
「……」
「稚奈?」
「あ、はい。自信なくて……」
「はい?」
「最近、どうも私に飽きてきたんじゃないかと思います。捨てられるのもそう遠くないかと……」
「はああ?何言っての、あんた」
「祐子さん、でもそうなっても会社は大丈夫ですよね?あの研究がうまくいけば特許ものですよね。そしたら高藤の人がいなくても何とかやっていけると思うんです。あ、誰か経理とか雇うとかして……」
祐子さんは突っ伏してしまった。
「あの、祐子さん?」
「稚奈」
「はい」
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