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「まあ、彼にも何か考えがあるんでしょう。立場上、ああいう人が意味もなく溺愛ばかりしていると、あちこちから嫉妬という風が吹いてきて、あんたみたいな小童は吹っ飛ばされるのよ。きっと守ってくれているんだよ」
「それって何から?」
「はああ。あんた頭はいいけど、なんというかこう、社会的な知識に欠けてるわね。社交界のある御曹司達はあんたの世界とは違うのよ」
「わかってますよ、そんなこと。だから、身分違いで世界が違うってなんども最初京介さんに言ったんですけど、これから近づけるとか訳わからないこと言ってごまかされて……」
「とにかくお忙しい御曹司を色気を使って癒やして差し上げなさい。セクシー下着でも見繕ってあげようか?」
「もう、祐子さん最低!」
「何が最低?あんたね、この会社を安泰にするには、御曹司の庇護にあるのが一番安心安全なのよ。従業員のために身を粉にして彼に尽くせ!いいわね」
ビシッと指を指して指示すると、彼女はいなくなった。
わかってる。そんなことはよーくわかってます。でも、彼が素っ気なくなっているのは事実。不安で一杯だった。
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