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「ちょっと、事務棟へ行ってきます。副社長に呼ばれたので……」
「わかったわ」
事務所へ入ると叔父がいた。
「叔父さん、お疲れ様」
「ああ、稚奈ちゃん。研究所のほうはどうだ?」
「ええ、大丈夫よ。精密機器のほうは元に戻った」
「そうか。それは良かった。実はちょっと話がある」
「何ですか?」
「……まあ、そこにかけなさい」
「はい」
叔父さんは私に向かって、切り出した。
「実はね。うちの会社だが兄さんから受け継いだときにはすでにあまり経営状態が良くなかったんだ」
「……え?」
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