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おばあちゃんのポケット
ぼくの名前は福!食べることとあそぶことが好きな男の子!年は、うーん…よくわかんない!
そして、こっちのニコニコしててあったかい人がぼくの大好きなおばあちゃん!ぼくとおばあちゃんは2人でくらしてるんだ。
ぼくは食べることとあそぶことのほかにも、だーい好きなことがあるんだ!それはね、おばあちゃんのポケットに入ること!
「ねーおばあちゃん!ポケット入ってもいい?」
おばあちゃんはぼくの方を見て笑った。
何か言ってるけど、ぼくには分からなかった。
でも、これはポケットに入っていいよってこと!だって、ぼくが入りやすいようにポケットを広げてくれてるもん。
ぼくはおばあちゃんのちゃんちゃんこのポケットにとびこむ。
「わーいっ!あったかーい!」
ポケットからかおを出すと、おばあちゃんのかおが下から見えた。ぼくはポケットの中に入っているから、首をいためているおばあちゃんはぼくの方を見ることができない。
だけどぼくにはわかる!おばあちゃんは今笑ってる。
ぼくはおばあちゃんのことならなんでもわかるんだ!なんでもは言いすぎかもしれないけど、、
とにかくいっぱい知ってるの!ね、ぼくとおばあちゃん、とっても仲良しでしょ?
だからね、ぼくは知ってる。おばあちゃんがさみしがりやだってこと。
おばあちゃんの子どもたちはたまにしかお家に来ない。おばあちゃんはぼくと二人ぐらし。
でも、ぼくはおばあちゃんとおしゃべりできないし、おばあちゃんの好きなおかしをいっしょに食べることだってできない。
でもポケットに入ることならできる!
それってぼくが入りたいだけじゃないかって?
そうだけどさ!でもでも、おばあちゃんはぼくがポケットに入ると、いつもうれしそうにするよ。
ほら、今だって!
おばあちゃんはポケットに手を当てて、ぼくをなでた。おばあちゃんの手はしわしわだけど、大きくて、あったかい。
おばあちゃんはなでるのがとっても上手なんだぁ。
うぅん…やさしい手つきがきもちよくて、だんだんねむたくなってきちゃった…
「おやすみ、おばあちゃん。」
ぼくはおばあちゃんのあったかいポケットの中で、重たい目をとじた。
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