間違い電話から

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「それでは待っていてください」 待っていると、病室の外が急に騒がしくなった。 ――なんだ? 俺は病室を出た。 数人の看護婦が口々に騒いでいる。 その内容は信じられないものだった。 例の女がちょっと目を離したすきに、病室から姿を消したと言うのだ。 あの女が消えたこと自体は、それはそれで問題だろう。 しかしそれ以上に問題なのは、頭蓋骨陥没で意識不明の女が、腰を強打して半身不随の女が、いったいどうやって病室を抜け出したと言うのだ。 そして今、いったいどこへ行ったと言うのだ。        終
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