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見るからに奇妙な女。
体格はよいが背が低く、その顔はありえないほどに白かった。
そして大きく黒いぎょろ目で、俺を食い入るように見ているのだ。
それは奇妙を通りこして、ただただ不気味だった。
――なんだこの女。
女は俺の前に立ち、言った。
「こんなところで会うなんて。もうこれは運命ね」
その声は、あの間違い電話に出た女だった。
忘れようもない、周囲の空気すら凍り付かせるのではないかと思えるほどの冷たい声。
「あなたの声は特徴があるから、すぐにわかったわ」
俺はよく「声に特徴があるね」と言われる。
だからすぐにわかったのだろう。
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