間違い電話から

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その後も続く。 何度も。 俺はアパートに帰るたびに、びくびくしなければならなかった。 そして毎回同じ。 俺が女を見つけて隠れると、その数分後か数十分後に女がどこかへ行ってしまうのだ。 いったいこんなことがいつまで続くのか。 ある日アパートに帰ると、また女がいた。 俺はいつものように隠れようとした。 しかしその日はいつもとは違っていた。 俺が隠れる前に、女が俺を見たのだ。 ――! 逃げようとした。 しかし女は信じられないほどの速さで俺に向かってきた。 階段を降りようとすると、女が後ろから俺の片腕をつかんだ。 思わず腕を振りほどこうと、大きく体をひねった。
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