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【4】
憧れの青柳さんについて、名前以外の事を私は何も知らない。
知りたい事は山程あるけど、私はただの清掃員で彼とは立場が違う。
雇われ元の社員である彼にこちらから気軽に話し掛ける事が出来ない。
いや、もし同じ立場であっても話し掛ける勇気なんてないんだけど。
「勇気を出してモーションかけてみなさいよ」
私の煮え切らない態度に業を煮やした佐伯さんが行動を起こせとしつこく言ってくる。
「もたもたしてると他の女に取られるよ!」
分かってますとも。
でもその前に………青柳さんはフリーなのかな?
「フリーよ!フリー!!私、この前本人に確認しといたから!」
…………えっ…
「今がチャンスよ!凪ちゃん!!」
鼻息荒く迫ってくる佐伯さんに脱帽、脱力。
「………佐伯さん、流石です…」
余計な事をしないで欲しいし、言わないで欲しい。
本人は親切のつもりなんだろうけど、ちょっとお節介が過ぎる。
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