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とあるジムにて
『とあるジムにて』
作/五条雨音
【上演時間】
約5分
【登場人物】
山口:一般会員(50代男性)
大橋:トレーナー(30代男性)
三垣:受付(20代女性)
【場所】
とあるスポーツジムの受付
※大橋、パソコンで作業をしている
※山口、急いで入って来る。
山口:こんばんは。
大橋:ああ山口さん、こんばんは。今日はいつもより遅いですね。
山口:ええ、仕事が長引いてしまって。
大橋:お疲れ様です。まだ間に合いますから慌てず着替えてください。
山口:有難うございます。
※山口、更衣室へ
大橋:内田先生、山口さんいらっしゃいました。あと少し待てます?はい、お願いします。
山口:お待たせしました。
大橋:早いですね!
山口:下に着ていたので。
大橋:素晴らしい。
山口:では行って来ます。
大橋:行ってらっしゃいませ。
山口:あ、大橋さん、後でフィジカルトレーニングのメニュー組んでもらえますか?
大橋:いいですよ。
山口:有難うございます。
大橋:どこをメインに鍛えたいですか?
山口:え〜っと、下っ腹を。
大橋:了解です。
山口:行って来ます。
大橋:行ってらっしゃい。
※山口、退場
※三垣、登場
三垣:山口さん、凄いですね。
大橋:ズンバクラスのムードメーカーですよ。黒一点。
三垣:でも何でズンバなんですかね。あんなに真面目そうなおじさんなのに。
大橋:三垣さん、会員さんの事をそんな風に言わないでください。
三垣:だってどう見てもズンバを踊る感じじゃないじゃないですか。
大橋:人を見掛けで判断してはいけません。
三垣:そうですけど。えっと、お仕事はなんでしたっけ?
大橋:学校の先生です。
三垣:中学でしたっけ?
大橋:高校です。
三垣:へぇ〜。生徒は知ってるのかな?
大橋:どうでしょうね。
三垣:私が生徒だったら、なんか嫌だな。“山口先生”がズンバって(笑)
※山口、突然現れる
大橋:山口さん、どうされました?
山口:あ、いえ、ちょっと連絡しなければいけない事がありまして。
大橋:そうですか、お忙しいですね。
山口:待って頂いた上に途中で抜けてすみません。すぐに戻ります。
大橋:大丈夫ですよ。お気になさらず。
※山口、退場
三垣:ビックリした…。
大橋:三垣さん、ダメですよ。会員さんの話はここではしない様に。
三垣:はい。すみません。違う所でしまーす。
大橋:……。
三垣:あ、大橋さん、今私の事、人として疑ったでしょ?
大橋:いいえ。
三垣:絶対疑った!
大橋:いいえ。
三垣:疑ってるよー!
大橋:…疑われたいんですか?
三垣:そうゆう訳じゃ。
三垣:大橋さんって、若いのになんでそんなに大人なんですか?
大橋:若くないです。もう30超えてますから。
三垣:若いですよ!私の父は今年で54になりますけどめちゃくちゃ子供ですよ!
大橋:そうですか。
三垣:この前実家に帰ったら家中ガンプラだらけでビックリしましたよ。50超えてるいい大人が…
大橋:あ、山口さん、おかえりなさい。
※山口、登場
山口:すみません、戻ります。
大橋:はい。楽しんでください。
山口:有難うございます。
※山口、退場
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