湖の歌姫

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「こちらのお部屋に湖の歌姫様がいらっしゃいます!お姉さまは・・、いえ、湖の歌姫様はとっても美人なんですよ!それでは失礼します!」 「泉の間」と書かれた扇子が飾られたふすまの前で時雨と桃矢が身なりを整える。 「時雨くん・・、準備はいいかね?」 時雨が頷く。 「よーし・・、開けるぞ・・!」 桃矢がふすまを軽くたたく。 「失礼する!湖の歌姫様!僕は桜井桃矢だ!」 ふすまを開けると、鮮やかな水色の着物に身を包んだ女性が正座で座っていた。 「ようこそおいでくださいました・・。本日はよろしくお願い致しますわ・・!」 桃矢のうしろから部屋に入ってきた時雨と湖の歌姫の目が合う。 「恋歌・・?!」 「まあ・・!時雨様ですの?!」 「ちょっと待ってくれ!時雨くんは湖の歌姫様と知り合いなのかい?!」 様々な驚きが泉の間で交差した。
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