湖の歌姫

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「大変申し訳ないのだが!」 恋歌への自己紹介を終えた桃矢が突然、土下座で謝罪をはじめる。 「どうなさいましたの、桃矢先生?」 「実は・・、緊急の仕事が入ってしまいこれから向かわなければならない!その前に歌姫様にお詫びをしたいと思って今日はうかがった!取材は時雨くんに頼んであるので、安心していただきたい!」 桃矢からそのような話を聞いていない時雨は突然の事態に驚く。 「そうでしたの・・!お酒に酔ってしまわれた桃矢先生のお話もご本人からお聞きしたかったのですけど、どうかお気をつけて向かってくださいまし・・!」 恋歌の言葉に桃矢が驚愕する。 「時雨くん!よりにもよってなんて事を話すんだい?!」 「事実だろう?」 桃矢は恋歌に再び謝罪すると立ち上がり、部屋の入口へ向かって歩き出す。 「時雨くん」 桃矢に呼ばれた時雨が座ったまま振り向く。 「僕は空気が読める男なのだよ!」 時雨には桃矢の言葉の意味がわからなかった。
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