青い十字架の簪

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青い十字架の簪

「こちらが有名な画家の先生のお宅ですの?」 時雨と共に恋歌が馬車から降りる。 「ああ。玄関で待っていると言っていたぞ」 そう言って時雨が一軒家の玄関を開ける。 「やあやあ!ようこそ!僕が有名な画家の先生の桜井桃矢だ!ふはははは!」 「どういうことですの・・?」 桃矢の登場に恋歌が困惑する。 「画家の先生というのは嘘なんだ。恋歌にゆっくり休んでほしかったからな・・」 青い瞳が不思議そうに紫色の瞳を見つめた。 それは、遡ること1週間前の出来事であった。
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