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恋を知らない青年
蒼月帝国では西洋の文化が流行しており、最近では結婚式も教会という場所で行う者が多い。
そして、花嫁は着物ではなくウエディングドレスと呼ばれる洋服に身を包み、希望に満ちた未来へ愛する人と共に歩んで行くのだ。
今日も1人の花嫁が純白のウエディングドレスを身に纏い、花嫁専用の控え室で式までの時間を過ごす。
控え室の椅子には美しい青い髪をした花嫁が浮かない表情で腰掛けており、これから結婚式を迎える幸せな花嫁とはとても思えない姿であった。
刻一刻と式の時間が近づく。
「時雨様・・」
悲しみの雨が恋歌の頬を伝った。
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