【プロローグ】月から地球へ

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月から出発した丸いロケット達が各地に降り注ぐ だからといって人がいる町などに降り立つのではなく、できるだけバレない森の奥や、山などに降り立つ物がほとんどだ ある一人の青年の兎がロケットの中で隣の者に声をかける 「…このロケットってどこに落ちるんでしょうね…?」 「さぁ…。まぁ、地球人に見つからないような場所に降りるんじゃないか?帰る時のためにも山とかの行きやすい場所とかかな」 「なるほど。詳しいんですね」 「まぁ…な」 ロケットの窓から外を覗く 地球に近くなっているため景色は見える が、どう見ても山、森に着地しそうな軌道には見えない 「これ…本当に山とかに落ちるんですよね…?」 「え?なんでだ?」 「だって…軌道が…」 先程の詳しく話してくれた方が窓から外を見る 「…確かに…。故障か?…まぁ死にはしないだろ」 「そう…ですよね」 心配しすぎたか…?と青年が首を傾げる 「…なんか…真っ直ぐ落ちてないか…!?」 乗客の一人の者が外を見て叫ぶ 「いいんじゃないですかァ?」 近くにいる一人が声を出す 「いや、違うんだ…!この下……海なんだよ…」 一同が息を揃えて驚きの声を出す パニックになるものや冷静に窓を見つめるもの、神頼みし始めるものも現れる 「え…ど…どうしよぉ…」 青年が冷や汗を頬にかきながら地球を見つめるが、遅かった。 ロケットは海に入水してしまったのだ ロケットの扉は陸についたと錯覚しており、豪快に開いてしまい水が大量に入る ある屈強なものは窓を無理矢理開け、外に逃げ出した だが、他の者はそのような力はなく、青年も含め、意識を失ってしまったのだった
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