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第1話 遭難しても運が良けりゃなんとか
幸い兎の青年はペンダントを着けており、兎の姿でどこかの港に流れついた
「おーい!兎が落ちてるぞ~!!」
金髪の男性の声が仲間を呼ぶように声を張り上げる
「あらら。ずぶ濡れだな」
それに呼ばれて来たもう一人の眼鏡の男性が兎を抱え、持っていた毛布に兎を包み込む
「この兎息してんのか?」
「…一応…鼻は動いてるっぽいけどなぁ」
兎の顔を凝視する
「…首になんか巻いてないかぁ?」
「え?どれどれ」
兎の首に手を当て、ペンダントを見つける
「なんだこれ…。首輪…?見てぇだなぁ」
「首輪?ってことは…誰かの兎なのか?」
「…わんちゃんそうかもなぁ…」
弱っている兎を見つめる
「…飼い主見つかるまで預かるかぁ?」
「そうするか。車出してくれ」
「あいよぉ~」
そういうと、毛布に包んだ兎を車の後ろに乗せ、どこかに走っていった
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