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開いた瞳に映るリノが優しく私に顔を寄せる。
魘されている私を心配してリノがケージから出て来てくれていた。
引き取ってからもうすぐで一ヶ月。
「リノ…」
共に過ごす日々の中、あなたの存在にどれ程救われてきただろう…。
悪夢から目覚めて震える私に
「大丈夫、側にいるよ」と身を寄せてくれる。
「大好きだよ」と舐めてくれる。
抱きしめたその身体はもう震えていない。
唸り声も聞こえない。
ポジティブを伝える尾が激しく左右する。
自転車も8万円も仕事も彼氏も何もかも全部、あなたに会うために失ったんだと思えば安いものだよ。
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