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2023年3月24日
2023年3月24日
「おばあちゃん、聞こえてる?」
「うん、聞こえているよ。そうちゃんお願いを聞いてくれて本当にありがとうね」
「僕の方からもありがとうを言わなきゃいけないよ。はなちゃんにもう一度会わせてくれてありがとう」
「上手くいったかい?」
「うん、告白できたし、星形のキーホルダーももらったよ」
「それは良かった。もう後悔は無くなったかい?」
「うん、本当にありがとう。おばあちゃんはどうだった?」
「そうちゃんのお母さんとお父さんといっぱい話せたよ。強く念じてお別れの挨拶も言ってきたからねえ」
「そうなんだね。お母さんとお父さんもきっと喜んでると思う」
「こうやってそうちゃんとも会えて本当に嬉しかったよ」
「僕もだよ。おばあちゃん、急に死んじゃうから何も伝えられないままだったじゃん……」
急に涙が出てきてしまった。おばあちゃんにずっと会いたかった、これは悲しいけど嬉しい涙なんだ。
「そうちゃん、そろそろお別れの時間なんだ」
溢れる涙を拭きながら僕は言葉を絞り出す。
「おばあちゃん、本当に今までありがとう。おばあちゃんのご飯が好きだったし、一緒にいられるだけで幸せだった。本当はもっといっぱい言いたいことがあるけど涙が止まらない……」
「私もそうちゃんと一緒にいられて幸せな人生だったねえ。今までありがとうね」
そう言うとおばあちゃんの声は消えてしまった。最後にはなちゃんともまた会えるよって言っていた気もするけど、気のせいだろうか。
僕は涙目のまま帰宅した。
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