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「あの、ヤマト、カンナさん、可児君、ちーちゃん、雷太、そんなに顔をくっつけられると――――――――」
「うははは!気にせんで―♪」
「ケチケチすんな!」
「おかまいなく。」
「ちーちゃんのことは空気だと思って♪」
「凛先輩がダメだと言っても聞きますからね!?」
会話を聞く気満々な態度に、一応注意してみるが聞く気はないらしい。
〔★一部は凛に過保護だ★〕
無理やり引き離しても、引き下がってくれないとわかったのであきらめる。
諦めて、相手が、高野舟槙(こうや しゅうま)さんが、電話に出てくれることを願う。
(・・・出てくれるかな・・・)
そう思った私の気持ちは、杞憂で終わる。
〈もしもし、誰ですか?〉
(出た!!)
ビンゴ!ビンゴ~!と思いながら告げた。
「お忙しいところ恐れ入ります。本日、お世話になった凛道蓮です。」
〈え!?凛道蓮君!?本当に電話かけてきてくれたんだぁー♪無事、家に帰れたんだね!〉
「え?ええ、まあ・・・」
実際は、ダンプトラックでミンチになりかけたけどね。
〔★命は助かったが、無事ではない★〕
〈今日は本当にありがとう!念のため聞くんだけど、今、時間があるからかけてきてくれたんだよね?〉
「はい、そうです。」
〈よかった!君には、いろいろと―――――警戒してもらいたいことがあるから。〉
「警戒?」
〈うん!ほら、その・・・今日、二三人伯父さんの様子を見て気づいたかもしれないけど――――今、檜扇家は遺産相続の件でもめ事が起きているんだよ。〉
「相続問題、ですか・・・?」
〈そうなんだ。恥ずかしい話・・・〉
控えめに聞けば、盛大なため息をつきながら相手は言う。
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