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「ああ、みんな気のいい奴らばかりだよ・・・。しかし、時代が進んでも差別は亡くならん。日本の象徴である皇室でさえ、男女平等の令和の時代になっても、男系男子にこだわり続けている。女系が男系に劣ることなどないというのに、だ。」
「そうですよね・・・小和泉元総理が皇室典範改正を強行してくれなかったら、女性皇太子は誕生しませんでしたからね~令和の次が、女性天皇ですよね~」
「ああ、女性天皇だ。聡明な方だから、今上陛下も安心して後を託せるだろう。」
「じゃあ、もっと安心してもらえるように、『カッフェ・ドルゾ』を飲んでみて下さい。」
そう言って、入れたてのノンカフェインを出す瑞希お兄ちゃん。
「おお、これがか!?どれどれ、頂こう!」
笑顔で瑞希お兄ちゃんから飲み物を受け取ると、口に運んでゴクゴクと飲むお坊さん。
「うん、美味い!!美味しいぞ、瑞希君!!」
「あざーす!!」
「当然だろう!?瑞希先輩が作るもんは、何でも美味いんだ!!」
「そうなんですよー♪瑞希お兄ちゃん最高♪」
「ゴマするな、オメーら。」
円城寺君と一緒に瑞希お兄ちゃんを称えれば、瑞希お兄ちゃんが苦笑いする。
「ここは居心地の良い場所だ。」
ふいに、しみじみとした様子で鳥恒先生がつぶやく。
(あれ?)
鳥恒先生を見て思う。
(なんだか元気がなくなってる・・・?)
そう思ったので、お声がけをした。
「鳥恒先生、どうかされましたか?急に元気がなくなってませんか?」
「ん?あー・・・ちと、厄介なことになっていて、な。」
「厄介なこと?」
「どうしたんです、鳥恒師範?厄介ごとって?」
「実はな、良信・・・それに蓮君・・・わしは今、警察に見張られている。」
「えっ!?」
「サツに師範が!?」
予想外の告白に、部屋の空気が張り詰める。
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