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「はじめまして!こんばんは、伊藤巡査さん!チョコです。」
「はい、こんばんは。名前は・・・『チョコ』、君でいいのかな?」
「そうでーす♪それでこちらが、僕のお兄ちゃんの―――――」
ギュ!
「わ!?」
「真田です。本日はよろしくお願いします。」
私を抱き寄せると、キラキラした笑顔であいさつする瑞希お兄ちゃん。
その笑顔を見て気づく。
(あ、作り笑顔だ。)
そりゃあ、瑞希お兄ちゃんも困るよね。
いくら、大原会長さんの紹介と言っても、元ヤンにおまわりさんを紹介するとか・・・
「こちらこそ、よろしくお願いします、真田さん。大原さんからは―――――いろいろ聞いてるよ。君の昔の活動のことも・・・」
そう語る伊藤巡査さん、何とも言えない表情をしていました。
(これは、瑞希お兄ちゃんが元ヤンだったことを知ってるわね・・・)
〔★警察官なら把握してる★〕
伊藤巡査の言葉に、笑顔をキープしたまま瑞希お兄ちゃんは答える。
「はい、昔はご迷惑をかけるガキでしたが、やっと人並みになれたところです。今夜も、人様の役に立てばと思い、参加しました。」
「ははは!そうなんだよ、伊藤巡査!今のサナちゃんをしっかり見てくれよ!」
「そうですね・・・。大事なのは、今ですからね。」
「もちろん、チョコちゃんの活躍も見てやってくれ! 迷惑な奴らを、片っ端から排除してくれたんだ!」
「話には聞いてましたが―――――――この子がですか?」
そうたずねる目は、私を心配そうに見ていた。
そんな伊藤巡査さんの様子に気づくことなく、得意げに大原会長さんは語る。
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