雪の日は別れの日

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 雪は嫌いだ。  一晩中降り積もった白が世界を塗りつぶしている。  分厚いダウンを着て雪かきをする大人たち。その横を、ランドセルを背負った男の子たちが雪玉を投げつけ合いながら走っていく。  キャッキャと騒ぐ楽しそうな声が、一人暮らしをしているマンションまで届いてきた。  私も、あのくらいの歳の頃は雪が好きだった。  冬になると降り始めた雪にわくわくしながら眠りにつき、朝起きて窓から見える真っ白な景色に歓声をあげていた。  太陽に照らされてきらきらと輝く雪が、幼い私を呼んでいるような気がした。    手袋をつけて玄関から飛び出して、雪を丸めて雪だるまを作った。  完成した雪だるまに満足して、真っ赤になった手で朝食を食べたものだった。  今はもう、雪を純粋に好きだと言うことはできない。  六花(りっか)との別れの日は、雪が降っていたから。
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