アリス・ダイアリー

ハッピー

あのね！ あのね！ あたし、アリス！
６才よ！ 先月お誕生日だったの！
それでね！ えっと、えっと、そう！
あたしのお話、聞いて！

あたしのお家は何にもないとこにあるの。本当に何にもないとこよ。お隣のお家まで行くのにすごく時間がかかるの。お仕事に行ったパパが何日か帰ってこないこともあるわ。朝帰りなんてしょっちゅうよ。
でもね、週末は絶対に帰ってきて、三人で教会に行くの。パパとママとあたし。車に乗って、協会に行って、神様にお祈りをして、おしゃれなレストランでランチを食べるの。
パパはいつもあたしにケーキを買ってくれるわ。あたし一人で全部食べてもいいケーキよ。すごいでしょ！

お誕生日にはね、おもちゃと絵本をこーんなに買ってきてくれたわ。ママはあたしの好きなお菓子をたっくさん作ってくれてね、ママのお菓子は世界一よ！、それで、お友だちを呼んでパーティーしたの。ドレスを着て、髪の毛も巻いて、あたしはお姫さまだった！
クリスマスもそうよ。教会に行った後はお家でパーティー。
たくさんたくさん人が集まるの！ 周りは何にもないけど、あたしのお家は大きかった。お庭もこーんなに大きくてね、プールもあるわ。ママがたくさんお花を植えてくれて、お花畑でわっかも作るの。
だからあたしはお家が嫌いじゃなかった。パパのいないお家でも、あたしとママはすごく楽しかった。
それにちゃんとパパが帰ってくるって、あたし知ってるのよ。だってパパはママのことが世界で一番好きなんだから。あたしのことは二番目。
パパはあたしたちのことをお姫さまみたいに見てるのよ。だから絶対に帰ってくる。あたしたちはパパのトクベツ、宝物なの。

毎日楽しいわ。近所のおじさんもおばさんも、お兄さんもお姉さんも、あたしのこと可愛いって言ってくれるの。
そう！ あたしは可愛い。みんなの中であたしが一番可愛い！
だからみんな、あたしのことトクベツ扱いしてくれるの！ ふふっ、当然よね！ なんでもあたしが一番なんだから！