第三話 嫉妬

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ホームに電車が到着して、僕達は乗り込んだ。 最寄り駅から、会社までは五駅離れていた。 朝の電車はいつも満員だ。あっという間に人の波に押しつぶされる。話の途中だったのに原咲さんとは離れてしまって、話が出来ない。僕は狭い空間で揺られながら、さっきの言葉を思い出していた。 (俺にとってもヒーローってどういう意味かな? 原咲さんも助けられた事があるとか? まさか…好きなのかな? あの夢…正夢じゃないよな?) 電車はあっという間に、会社の最寄り駅に到着した。満員電車から解放されて、一息ついた。 僕はホームで原咲さんを探した。 でも、姿が見えない。 (もう行っちゃったのかな? 配送がどうとか言ってたし、忙しいのかもな。) 僕は時間に余裕があったから、ゆっくりと歩いて階段を登り、改札を抜けた。 改札を抜けた先に、カフェを見つけた。 僕は、優雅にコーヒーを飲む事にした。 カフェの扉を開けて、中に入るとコーヒーの いい香りが漂っていた。 僕は店のカウンターに並んで、カフェラテを テイクアウトで注文した。 「お待たせ致しました。カフェラテのホットで御座います。」 「ありがとうございます。」 僕はお店のお姉さんから、コーヒーを受け取って、お店を出て会社へ歩き出した。
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