第六話 揺れる想い

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その日の夜、僕は花田さんに呼び出された。 ヒーローに呼び出されて、嬉しいはずなのに、 何故か僕は何も感じていなかった…。 「どうしたんですか? 話って何ですか?」 「あー、来てもらって悪いな…。 ちょっと、飲みに付き合ってくれるか?」 「あっ、はい。いいですよ。」 花田さんはとても辛そうな顔をしていた。 お酒が入り、突然花田さんは告白をしてきた。 「俺は…賢哉の事が好きだ。何故か分かるか? それは、俺を助けてくれたからだ。 俺にとって、お前はヒーローだ。 お前が、初めて俺に言ってくれた言葉だ。 ヒーローは誰でもなれるわけじゃない。 俺はお前が言ってくれたこのヒーローって言葉が好きになった。 すごく、嬉しかったんだ。 だから、お前にもヒーローを好きになってもらいたい。 お前は今、迷ってるんじゃないか? 真宙さんに、いろいろ聞いたんだ…。 告白されたんだろ? 俺はお前の事が好きだ。 だから、嫉妬もしたし、キスもした。 でも、それは俺だけの気持ちだ。 お前には、本当のヒーローを選んでほしい。 自分の心には誰がいるのか、 よく考えたら、答えを聞かせてくれないか?」 僕は、花田さんの言葉に胸を打たれた。 本当のヒーローとは誰なのか、もう一度僕は よく考えてみる事にした。
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