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僕は、思っている事を全て原咲さんにぶつけた。原咲さんに気持ちが届いたかは、分からない。でも、自分の気持ちは伝えられた。
原咲さんは、後ろを向いたまましばらく黙って立っていた。
僕は、それを見守ることしか出来なかった。
すると、原咲さんが一言呟いた。
「今言った事は本当?」
「はい。勿論本当です。
嘘なんてついてないです。」
「…。本当に…俺の事が…好き?」
「はい。大好きです。」
「…。」
「原咲さん⁈もしかして…泣いてる?」
原咲さんは、後ろを向いたまま泣いていた。
僕はその様子を見て、近寄って行った。
「原咲さん…。
こっち見てくれませんか?」
原咲さんはゆっくりと、僕の方を振り向いてくれた。目には涙をいっぱい溜めていた…。
下を向いて、なかなか目を合わせてくれない。
でも、やっと向かい合う事が出来た。
「原咲さん…。
改めて言わせて下さい。
僕は…。」
まで言った時だった。
「待って…。まだ…待って…。
ちゃんと…目をみるから…。」
そう言って、原咲さんはゆっくり僕の目を見てくれた。やっと目が合って僕は嬉しくて、
涙が溢れて来た。
「……ありがとうございます。
僕、原咲さんが目を合わせてくれなくなってから、ずっとずっと辛くて…
自分の気持ちにも気づけなくて、一人で悩んでたんです…。
そしたら、さっき花田さんが僕の背中を押してくれたんですよ…。
だから、言わせて下さい!
僕は…原咲さんの事が好きです。
大好きです。
だから…僕の側に居てくれませんか?」
僕の告白に、原咲さんは号泣していた。
「……本当に…俺で…いいの?」
「はい。僕は原咲さんがいいです。
原咲さんじゃないとダメなんです。
自分の気持ちに気づいたばかりですけど…
原咲さん以外考えられません。」
「澤井くん…。俺…も…澤井くんが好き…。」
「原咲さん…。僕…もう我慢の限界です…。
その手に、触れてもいいですか?」
原咲さんは泣きながら、笑顔を見せてくれた。
その笑顔がまた可愛くて、僕の心は幸せで
溢れていた。
僕は、原咲さんの手を握った。
外に居たせいか、手が冷たくなっていた。
「手…冷たい…。寒かったですね…
すみませんでした…。」
僕は原咲さんの手をぎゅっと握って、そのまま身体を自分の方に引っ張って、抱きしめた。
でも、僕は原咲さんよりも身長が小さくて
抱きついている様でダサかった…。
原咲さんもそれに気づいて、僕達は目を合わせて笑い合った。
原咲さんの笑顔が本当に可愛くて、僕は
ずっと原咲さんを見つめていた。
すると、原咲さんは顔を赤らめながら小声で言った。
「あんまり見ないでよ…キス…したくなる…。」
僕はその言葉にドキッとした。
(マジか…。可愛すぎてやばい…。)
「僕も…同じ気持ちです…。
原咲さんの全部が欲しい…。
僕に、あなたの全てを下さい。」
原咲さんを近くに合ったベンチに座らせて、
僕は原咲さんの前に立った。
こうすれば僕が大きくなれたからだ。
僕は原咲さんの両肩に、そっと手を置いて、
顔を近づけて優しいキスをした。
原咲さんとの初めてのキスは、甘いバニラの
香りがした。
居酒屋でバニラアイスを食べたからだろう…。
僕は幸せを噛み締めながら、原咲さんをぎゅっと抱きしめた。
いつまでも、離れたくなかった。
原咲さんを独占したい。
僕は、原咲さんに何度も何度もキスをした。
僕の心は原咲さんでいっぱいになったんだ。
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