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「お疲れ様でした。」
夕方七時、初出勤の一日が終わった。
この間まで、学生だった僕はとても疲れていた。これが、働くという事なんだと思い知らされた。
僕の同期の桜井くんも、相当疲れている様子だった。更衣室で着替えながら話しかけてみた。
「桜井くん?大丈夫?疲れたね…。」
「あっ、うん…。俺体力ないからヤバいや…。
あの量運ぶのってかなり体力いるね…。
重かった…。
だから先輩達は、あんなに腕が太いのかな?
相当、鍛えないとダメって事だね…。」
桜井くんはかなり、痩せ型だった。
腕なんてポキっとすぐ折れそうな程細くて、
か弱い感じに見えた。
僕も、人の事は言えない程、痩せ型だ。
この先が心配で、仕方がなかった。
「あっ、ねぇ!今朝のヒーローの話、凄かったね。俺も、あの人カッコいいと思った。
腕が逞しいよね?何かスポーツしてたのかな?
背負い投げだっけ?柔道かな?」
「うん。うん。そうだよね!かなり鍛えてる
よね!本当にあれはカッコ良かったよ!
桜井くんにも見せたかったなぁ!
あの、背負い投げ…。」
「背負い投げが何だって?
また、俺の話か?」
「あっ、花田さん…。」
僕達が話していると、突然花田さんが更衣室に入って来たのだ。
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