第二話 恋心

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「お疲れ様でした。」 夕方七時、初出勤の一日が終わった。 この間まで、学生だった僕はとても疲れていた。これが、働くという事なんだと思い知らされた。 僕の同期の桜井くんも、相当疲れている様子だった。更衣室で着替えながら話しかけてみた。 「桜井くん?大丈夫?疲れたね…。」 「あっ、うん…。俺体力ないからヤバいや…。 あの量運ぶのってかなり体力いるね…。 重かった…。 だから先輩達は、あんなに腕が太いのかな? 相当、鍛えないとダメって事だね…。」 桜井くんはかなり、痩せ型だった。 腕なんてポキっとすぐ折れそうな程細くて、 か弱い感じに見えた。 僕も、人の事は言えない程、痩せ型だ。 この先が心配で、仕方がなかった。 「あっ、ねぇ!今朝のヒーローの話、凄かったね。俺も、あの人カッコいいと思った。 腕が逞しいよね?何かスポーツしてたのかな? 背負い投げだっけ?柔道かな?」 「うん。うん。そうだよね!かなり鍛えてる よね!本当にあれはカッコ良かったよ! 桜井くんにも見せたかったなぁ! あの、背負い投げ…。」 「背負い投げが何だって? また、俺の話か?」 「あっ、花田さん…。」 僕達が話していると、突然花田さんが更衣室に入って来たのだ。
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