みかん

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 聡が帰りの新幹線で茶封筒を開けると、黄色く変色した便箋が出てきた。便箋には鉛筆で次のように書かれていた。 『さとし。おめえが生まれた年にでた二千円札じゃ。きねんじゃ。中学けっぱれ』  封筒には2千円が5枚入っていた。  聡は鼻の奥がつ〜んとした。  みるみる涙が溢れ出す。  聡は今こそ、祖母のあの言葉が何だか確信した。 『じいさん。さとしにあいてぇのう』  聡の嗚咽は止まらない。
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