ふるさとの星

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 ふるさとの海沿いが被災したという知らせを、東京で聞き彼は驚く。  彼の実家は扇状地のかなめ、山のふもとにあり、難を免れている。  隣県の被害は甚大で連日の映像に彼の心が痛む。  彼は高校を卒業後、隣県で五年間働いただけに他人事ではない。  だが今、何が出来るか彼は自らに問いかける。  彼は既に定年になり年金暮らしをしている。  長年にわたり学んでいるフランス語も続けたい。  百キロマラソンも完走してみたい。  伸びしろだらけで、夢が次々生まれる。  夢の実現に向けて励むこと、それが彼に出来ることである。  このまま続ければ、ふるさと期待の星になれるかもしれない。  誰も期待しなくても、彼自身が期待している。  自ら輝く星になろう  背筋が伸びて 武者震い  見上げる夜空に 星が ふるえる
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